ペットの飼育放棄に対策はあるの?ペットと人が幸せになる方法とは
近年、ミックス犬の人気の高まり、家にいる時間も長くなった、と言った理由からペットを飼い始めたという人が増えています。
また、高齢者も気持ちに張りが出る、散歩やペットの話題を通じて近所とつながるなどの理由でペットを飼う人が増えています。
ミックス犬のマルプー(マルチーズとトイプードル)やチワックス(チワワとダックスフンド)などは人気があり、1匹35万円前後で販売されています。
高額なペットを飼う人が増える一方で、しつけや世話が思うようにできないなどの理由でペットの飼育を放棄するという事例も増えています。
この記事ではペットの飼育放棄について徹底的に調べてみました。
飼育放棄とは
飼育放棄とは、飼い主がペットの世話をせず、飼育を放棄することです。
2020年頃からペット需要が高まり、その経済効果は5兆円とも言われています。
「ペットショップで見て一目惚れしてしまいました」、「家にいる時間が長くなったので子供のために買った」などの理由でペットを購入しています。
その一方で、「ペットの飼い方をよく知らない」、「しつけの仕方がよく分からない」などの理由からペットの飼育放棄をする人が増えています。
飼育放棄をする理由
ペットの飼育放棄をする主な理由は以下になります。
・思っていたのと違って飼えなくなった
・うるさい、言うことを聞かない、なつかない
・仕事や家庭の事情で飼えなくなった
・飼い主が高齢になりペットの世話ができなくなった
・ペットの病気やケガにより治療費が高い
このようにペットの飼育を放棄する理由はさまざまあるのですが、最後まで責任を待って飼うという当たり前の責任が果たされていません。
ペットを飼育放棄する前に
ペットの飼育放棄する前に考えてほしいことがあります。
・新しい飼い主を探す努力をする
・吠えたり咬んだりする場合は、しつけなどの専門家に相談する
・引っ越しなどで飼えない場合は、ペット可の物件を探す
・家族全員でどうすればいいのかを考える
飼育放棄をする前に考えてみて、それでもどうしても飼えない場合は動物愛護管理センター相談してみてください。
ペットの飼育は最後まで責任と愛情を持って飼うことが前提で、飼えないからといってペットを捨てるということは絶対にしないでください。
2020年6月には動物の愛護及び管理に関する法律等の一部が改正され、所有者の罰則強化と販売者の規制や基準が変わりました。
動物愛護と管理に関する法律の改正された内容とは
動物愛護と管理に関する法律の改正された内容は、ペットの所有者、ペットの販売者に対する内容になります。
【ペットの所有者】2020年6月1日施行
ペットの所有者はペットの飼育や保管に関する基準が明確に示されました。
多頭飼育にならないように不妊去勢手術や繁殖の防止をすることが義務付けられました。
また、動物虐待などの罰則が大幅に強化されました。
動物の殺傷に関する罰則だと、「2年以下の懲役又は200万円以下の罰金」から「5年以下の懲役又は500万円以下の罰金」に強化されました。
【ペットの販売者】2020年6月1日施行
動物の販売者(第一種動物取扱業者)は動物の販売にあたり、動物の現在の状況を見せ、動物を適切に飼うために必要な情報を説明することが義務付けられました。
これ以外にも2021年6月までに「飼養施設の管理、飼養施設に備える設備の構造と規模」が施行されます。
寝床や休息場所となるケージの大きさや動物の運動スペースなどの基準が明確に規定されることになります。
また、出生後56日を経過しない犬猫を販売することができません。
さらに2022年6月までに犬や猫にマイクロチップの装着が義務付けけられます。
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ペットを飼う前に考えていただきたいこと
ペットを飼うということは、最後まで飼うという責任が伴います。
飼う前には必ず以下のこと相談してみてください。
居住環境
戸建ての持ち家の場合は大丈夫ですが、分譲の集合住宅や賃貸物件の場合は、希望するペットが飼えるかどうかを確認してください。
他の人が飼っているからと大丈夫と思わず、賃貸契約書や管理規約を確認するようにしてください。
また、ペット可の物件でも飼えるペットの種類や頭数に制限があることがあります。
ペットの種類や大きさ
ペットの種類によっては、思っていたよりもどんどん大きく、力強くなる動物がいます。
ペットも飼い主も歳を重ねて老いていきますので、将来のことも考えてペットの種類を選ぶようにしてください。
また、「簡単に飼える」、「世話が楽である」、「吠えない」などの情報がネットなどで流されている動物があるかもしれませんが、専門家に相談したり書籍などで確認するようにしてください。
ペットにかかるお金
ペットにかかるお金は、購入費用だけではありません。
食費や予防費(予防注射など)、病気やケガなどの治療費などのお金もかかります。
飼い始めてから経済的な理由で飼えないということにならないように、事前にペットにかかる費用についても考えるようにしてください。
また、ペットの治療費は1回の通院で数千円から数万円かかることがあるので、ペット用の保険に入ることも検討してみてください。
ペットの世話
ペットの世話は土日祝や年末年始、ゴールデンウイークなど関係なく、休むことができません。
ペットが急に病気やケガをすることもあるので、そのときは動物病院に連れて行く必要があるので、仕事や用事などに影響することがあります。
子どもが世話をするといって飼い始めた場合でも、子どもの進学や就職によっては親が世話をすることになってしまいます。
人も動物も歳を重ねるごとに老いていき、生活環境も変わっていくので将来のことも考えるようにしてください。。
家族の同意
ペットを飼うということは自分自身だけで決めるのではなく、家族全員で考えてください。
ペットの世話を自分ができないときは家族にしてもらうということもあるので、家族全員で協力して飼うということが大切になります。
ですので、ペットのためにも家族全員が賛成になってから飼うようにしてください。
万が一のとき
ペットの飼い主が突然の事故や病気で入院する、自然災害に遭うなど、いつ何が起こるかわかりません。
しかし、そのようなことが起こったとしても、ペットが路頭に迷わないように、代わりに飼ってくれる人をみつけておく、他の人でも飼いやすいようにしつけることが大切です。
終生飼育
終生飼育とは、飼育している動物がその生涯を全うするまで適切に飼育することです。
ペットも人間と一緒で病気や事故、原因不明の突然死や老衰などいつかはその生涯を閉じる日が訪れます。
その日がくるまで愛情と責任をもって飼い続けることが大切です。
ペットを飼うということは永遠に自立しない子供を養うと考えてください。
しかし、飼い主さんの事情でどうしても飼い続けることができない状況になることがあるかもしれません。
そのようなときは、ペットが安心して暮らせる先を探すなど、責任を果たすために最低限で最大の努力をしてください。
飼ったペットの命を最後まで責任を持つことが【終生飼育】です。
最後に
ここまで、ペットの飼育放棄についてみてきました。
日本でも2020年6月に動物愛護と管理に関する法律の改正され、罰則が強化されています。
海外では明確に飼い主の義務を課している国もあります。
例えばドイツでは1頭飼うごとに税金が課されて、2頭目以降は高い税金が課せられます。
また、イギリスでは必要に応じて犬を押収(保護)できたり、飼い主の所有権をはく奪することができます。
ペットの飼育放棄などマナーが悪いのは一部の飼い主だと思うのですが、事前講習や免許制など飼い主側に飼うことへの責任をもっと明確にすべきではないでしょうか。